齋藤環
セルティという批評的なキャラクター セルティ・ストゥルルソンというキャラクターは非常に批評的だと私は考える。 彼女には首から上がない。デュラハンだからである。彼女は岸谷新羅と同居している。彼はセルティに首がないのにもかかわらず愛している。そ…
壮絶な鬱マンガとしての『神の悪フザケ』 私はこの漫画を読み終えるのに、漫画一冊ではありえない期間を要した。それは時間が掛かったということではない。この漫画の情報量は多いわけではない。そうではなく、読み続けることができないのだ。めまいがしそう…
『モモ』に描かれる世界のシステム 幸福のために限りある時間を有効に使おうとする。その振る舞いは間違っていない。しかし人々が時間に対して過度な合理性を求めると、今度は合理的に時間を使うことが目的化されてしまう。つまり、なんのために時間を切り詰…